冒頭では、当協議会を運営する県の担当者と株式会社eiicon（東京）が、取り組み内容やプログラムの流れについて説明しました。

「広島県では、基幹産業である自動車や造船といったものづくり産業に続く新しい産業として、環境・エネルギー産業の振興に注力しています。その機運を高めるために協議会を立ち上げ、県内企業の支援プログラムやセミナーを開催してきました。令和3年度は研究会の中で環境・エネルギー分野の新規事業のアイデアを出し合い、令和4年度は研究会に加え、専門家によるハンズオン支援も実施しました。昨年度と今年度はオープンイノベーションを活用して、県内企業と県外企業・スタートアップ企業をマッチングして事業創出を目指すプログラムを運営しています。セミナーやワークショップも定期的に開催していますので、環境ビジネスや新規事業創出に関心のある企業様にぜひ参加いただければと思います」　（広島県商工労働局イノベーション推進チーム・徳富綾子氏）

「昨年度の新規事業創出プログラムでは県内のホスト企業と全国のパートナー企業による環境・エネルギー分野のプロジェクトを4件採択しました。今年度は５社がホスト企業に名乗りを上げ、夏にパートナー企業を全国から募集。選定したパートナー企業と共同でアイデアをブラッシュアップするワークショップ“BUSINESS BUILD”を先月開催し、プロジェクトが確定したところです。今後は私たちが伴走支援しながら社会実装に向けたインキュベーションを行い、3月に成果発表する見通しです」 　（株式会社eiicon・柏木淳氏）

続いて、令和4年度以前の参加企業から株式会社オガワエコノス(廃棄物処理・リサイクル事業のベトナムへの水平展開など)など5社、令和5年度はクニヒロ株式会社(かき殻のアップサイクル)など3社、今年度は常石商事株式会社(瀬戸内海の潮流エネルギーを使った発電事業)など5社がプロジェクトを紹介しました。過年度参加者からは、成功事例だけではなく、「既存事業とのシナジー効果を具体化できなかった」「開発コストがかさみ、パートナー企業が難色を示した」といった反省点や失敗談も率直に話してもらいました。今年度参加者は、「不安もあるけれど、実際に経験した方の話を参考にしながらプロジェクトを進めていきたい」と意気込みを語りました。

テーブルごとの交流会では当協議会スタッフを交えて、採算性や海外展開、パートナー企業との関係など多岐にわたる話題で盛り上がりました。また、「他部署から見て何をしているか分かりにくいようだ」「社内の理解を得られにくい」といった、現場担当者ならではの悩みも。それに対し、「社内報で情報を発信する」「日頃から他部署とコミュニケーションを取る中で周知している。スモールトークの時間を大事にする」といったアイデアを出し合いました。
途中でメンバーを入れ替えながら、活発な意見交換が進み、第2回も盛況のうちに終了しました。
12月3日には福山市で今年度最後のオープンセミナーを開催します。