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【開催レポート】10月7日(火)
ひろしま環境ビジネス推進協議会
新規事業創出プログラム 採択先企業キックオフ

セミナー開催風景
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開催概要
【日 時】
令和7年10月7日(火)15:00〜17:00
【会 場】
fabbit広島
【参加企業】
採択企業6社(株式会社アスコン、池田糖化工業株式会社、株式会社Water Air、株式会社キーレックス、株式会社コパックス、株式会社ヒロテック)

■ 開会挨拶

開会にあたり、広島県 産業政策審議官 掛川昌子氏 より挨拶が行われた。
掛川氏は冒頭、本プログラムが「単なる研修や助成ではなく、企業が主体的に“自らの新しい事業を創り出す”ための実践の場」であることを強調。

開会挨拶

続けて、「県としても、これまで以上に“企業が挑戦しやすい環境づくり”に力を入れていきたい」と述べ、県の政策としての位置づけを明確にした。また、「ここに集まった6社が互いに刺激を与え合い、切磋琢磨しながら広島発の新しい価値を創り出していくことを期待している」と語り、新規事業に取り組む企業への強い期待とエールを送った。
さらに、「環境ビジネスは今や社会課題解決だけでなく、世界的に見ても市場拡大が続く“成長産業”である」と指摘。「広島の企業がこの分野で成功事例を作り出すことは、地域経済の持続的成長に直結する」と述べ、企業・行政・支援機関が一体となって挑戦を進めていくことの重要性を呼びかけた。
最後に、「新しい事業を生み出すのは人の想いと行動力。県としても、皆さんの挑戦を全力で応援していく」と結び、会場全体が温かい拍手に包まれる中でプログラムがスタートした。

■ ご挨拶・講話

続いて、ひろしま環境ビジネス推進協議会 会長 早田吉伸氏 より、「環境と新規事業の未来に挑む6社への期待」と題した講話が行われた。

ご挨拶・講話

早田氏はまず、環境ビジネスを取り巻く社会背景として、カーボンニュートラルや資源循環型社会への移行が急速に進む中で、企業に求められる役割が変化していることを指摘。「環境対応は“義務”ではなく、“新たな価値を創出するチャンス”である」と強調し、これからの企業経営は“環境×事業”をどう結びつけるかが鍵になると語った。
また、新規事業の成功には「熱意だけでなく、戦略的な設計が不可欠」であると述べ、「自社の強みや既存事業との連続性を見極めながら、筋道を立てて進めていくことが重要。環境への取り組みは社会のためだけでなく、自社の持続的な成長のための投資でもある」とメッセージを送った。
さらに、「今回集まった6社は業種も規模も異なるが、それぞれが課題意識を持ち、自らの手で未来を描こうとしている点に大きな意義がある」と称賛。「本プログラムを通じて、互いの強みを活かしながら協業の可能性を探り、“広島モデル”として他地域にも波及するような取り組みに育ててほしい」と語った。
最後に、「新規事業は容易な道ではないが、挑戦する人にしか見えない景色がある。今日ここにいる皆さんの挑戦が、広島の未来を変える第一歩になる」と述べ、参加者から大きな拍手が送られた。

■ 採択企業による発表

採択企業6社からは、新規事業創出プログラムへの参加目的と支援開始時点での現状・課題が共有された。どの企業も自社の強みを軸に、既存事業の枠を超えた挑戦に取り組む姿勢を示した。

株式会社アスコン

目的: 紙の印刷市場縮小を見据え、モナリザ(多素材対応印刷機)を活かした環境配慮型新規事業へ挑戦。
現状・課題: 紙印刷に特化した技術構造ゆえに新領域への展開が難航。EC×印刷技術を組み合わせた環境ビジネス化を進行中。


池田糖化工業株式会社

目的: 受託中心のB2Bモデルから脱却し、自社発信での市場志向型商品開発を定着させる。
現状・課題: 受動的な事業体質からの転換が必要。プロ人材支援を受け、ブランド構築・開発ノウハウを学びながら社員意識改革を推進。


株式会社 Water Air

目的: サステナブルな要素と商品自体の魅力を両立させた新商品の開発
現状・課題: 環境配慮の取り組みは行ってきたが、コスト増が購買につながらず課題に。マーケティング・市場調査から着手し、補正商材分野での新たな展開を模索中。


株式会社キーレックス

目的: 創業100周年を見据え、コンテナファーム事業を次なる成長の柱へ。
現状・課題: 設備導入・栽培検証は進むが、ビジネスモデル構築が課題。半年間で事業継続判断と収益化ストーリーの確立を目指す。


株式会社コパックス(西原製作所)

目的: 中小企業向け小型真空包装機の開発・販売を通じ、脱プラスチック社会に貢献。
現状・課題: 構造的に小型化が困難だった課題に、異業種プロ人材の知見を取り入れて挑戦。従来の常識を打破する発想転換を推進中。


株式会社ヒロテック

目的: EV化による既存事業縮小を見据え、金属加工技術を応用した「エコストーブ」の開発。
現状・課題: 技術力はあるがB2C領域の経験が少ないため、プロ人材支援を受けて製品コンセプトを市場志向に磨き上げ、試作・販売戦略を構築中。

左/株式会社アスコン 取締役 門脇 氏、右/株式会社キーレックス 代表取締役社長 藏田 氏

左/株式会社アスコン 取締役 門脇 氏      右/株式会社キーレックス 代表取締役社長 藏田 氏

■ “共創ウォール”セッション

テーマ:「自社の新規事業を通じて、社会や業界のどんな課題を解決したいか」
6社の代表者がそれぞれの視点で付箋に想いを書き出し、発表を行った。
業界を越えた共通の価値観や社会課題への意識が見えてきた。


主な意見・キーワード(抜粋)

・食を通じて健康と環境の維持に繋げていきたい
・地球と人類の未来を見据えた商品開発ができるようになりたい
・何らかの役割を担い続けられている企業・人でありたい
・業界全体での協業、役割分担が円滑に行われている状態を目指す
・規模や業態に関係なく包装形態を選択可能な機器開発を目指す
・“働きたい農業”の実現
・薬用植物をはじめとした農業産業の活性化
・“モノづくり”、“ヒトづくり”+事業づくりの風土醸成

セッションの様子

株式会社ヒロテック 主幹 宮崎 氏

各社の意見が重なり合う中で、企業の垣根を越えて共創を模索する雰囲気が広がり、個社の挑戦から“広島発の共創チーム”としての意識へ変化する様子が見られた。

 

本セミナーは、広島県およびひろしま環境ビジネス推進協議会が推進する「SCRUM HIROSHIMA」事業の一環として実施されました。

ひろしま環境ビジネス推進協議会とは

広島県が2012年4月に設立した協議会です。企業間連携の活発化や海外展開の促進等を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するビジネスをグローバルに展開できる企業群を育成することを目的としています。
協議会の活動の一環で取り組むコミュニティー組織 「SCRUM HIROSHIMA」では、多様なステークホルダーがつながり、新たなビジネスの可能性を探索いただく場として、定期的なセミナーや、交流イベントを開催します。

【役  員】
会長 早田 吉伸(叡啓大学 ソーシャルシステムデザイン学部 教授)
【事 務 局】
広島県商工労働局 環境・エネルギー産業課
【会員一覧】
ひろしま環境ビジネス推進協議会・参加企業一覧
【協議会サイト】
https://hiroshima-greenocean.jp/


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