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【開催レポート】 8/28(木)
──新規事業の“実践知”を学び合う──
「第1回経営者向けセミナー」を開催

セミナー開催風景
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開催概要
【日 時】
8月28日(木)14:30~17:00
【会 場】
fabbit広島駅前
【参 加 者】
県内企業5社・5名

本セミナーは、SCRUM HIROSHIMAの令和7年度事業の一環として開催しました。
新規事業創出に挑戦する企業の経営層を対象に、「トレンド×自社資源からビジネスの種を生み出す」をテーマとし、講演とワークショップを通じて新しい発想を形にする機会を提供しました。
冒頭では、広島県 商工労働局 環境・エネルギー産業課 課長 畠 正和 氏 よりご挨拶をいただきました。

畠氏からは、県内企業における新規事業創出の重要性に触れられ、「既存の延長ではなく、新しい発想と挑戦が地域の未来を切り拓く」との期待が語られました。特に、本セミナーで紹介される ヒロテック社の事例を参考にしながら、自社の強みと社会的な変化を組み合わせることで「新規事業のタネを生み出し、次につながる一歩にしてほしい」との力強いメッセージが送られました。
参加者にとっては、セミナー全体の方向性と意義を再認識するきっかけとなり、その後の講演・ワークショップへの取り組み姿勢を高めるものとなりました。

■ 実践者が語る“挑戦のリアル”──ヒロテックの事例から学ぶ新規事業の壁と突破口

講師には、20年以上にわたり複数の事業を立ち上げてきた社内起業家 椿 奈緒子 氏(メンタリング株式会社)を迎えました。

講師には、20年以上にわたり複数の事業を立ち上げてきた社内起業家 椿 奈緒子 氏(メンタリング株式会社)を迎えました。

椿氏は、自身の豊富な経験をもとに「新規事業の成功と失敗の分岐点」について具体的な事例を交えて紹介。特に、広島県を代表とする製造業の株式会社ヒロテックが直面した「新規事業の壁」と、その突破の過程を詳細に語りました。

ヒロテック社では、従来の社内リソースのみでの取り組みが限界を迎え、
・市場検証や顧客開発のノウハウ不足
・明確な進行プロセスや評価基準の欠如
といった課題を抱えていました。


そこで同社は、外部専門家の知見を戦略的に導入し、以下のような変革を実行しました。
・顧客起点の課題発見法:顧客の“ブルー(困りごと)”を出発点とした事業アイデア創出。
・小さな仮説検証の積み重ね:PoCを通じて「試す→学ぶ→改善する」のサイクルを確立。
・ステージゲート方式の導入:投資判断や撤退判断の基準を設け、効率的なリソース配分を実現。


講演を通じて、「新規事業は技術起点ではなく顧客起点で考えるべきであり、失敗を恐れず小さな挑戦を繰り返すことが成功への近道である」と強調されました。

■ 未来の“種”を育むワークショップ──兆しと自社資源の掛け合わせから生まれた発想

講演で得た学びを踏まえ、参加者は自社の強みを可視化し、社会的な“兆し”と掛け合わせることで新規事業のアイデアを生み出すワークショップに挑みました。

講演で得た学びを踏まえ、参加者は自社の強みを可視化し、社会的な“兆し”と掛け合わせることで新規事業のアイデアを生み出すワークショップに挑みました。

まず、自社に眠る「人材・技術・ネットワーク」といった資源を整理し、続いてDXや脱炭素、人口減少など未来を左右する大きな変化からテーマを選びました。その後、個人でアイデアを発想し、全体で共有しながらブラッシュアップする流れで進行しました。

結果として、
「脱炭素 × 製造技術」 → 廃材活用による新規事業
「水素活用 × 地域製造業」 → 水素をエネルギー源とした新規事業の検討など、
現実的かつ地域性を踏まえた発想が次々に提示されました。


椿氏からは、顧客インタビューでの検証方法や、小規模実証(PoC)を通じた実務への落とし込み方についてフィードバックがあり、参加者にとって「アイデアを形にするための具体的な視点」を得られる時間となりました。

 

■ 終了後の参加者の声(抜粋)

・「想像力を高めて、各社の取組を横串しで見ることができた。近い内に取り入れたい。」
・「これまでの経験則や常識を捨てることで、新しい発想が生まれると感じた。」
・「自分の頭で楽しくアイデアを出すのは面白く、すぐにでも実務に取り入れたい。」
・「異業種の考え方を知ることができ、自社への応用を検討したい。」

今回のセミナーは、参加者の多くから「学びをすぐに実務へ活かしたい」という声が寄せられたことからも分かるように、単なる知識共有にとどまらず、行動変容への強いきっかけを提供できた点が大きな成果といえます。

特に、椿氏の講演で紹介されたヒロテック社の事例は、参加者にとって「新規事業に挑戦する現場のリアル」を実感できるものであり、ワークショップでは自社資源と社会的な兆しを掛け合わせることで、各社が将来の可能性を描き出すことができました。

■ 次回イベントのご案内

本セミナーは、広島県およびひろしま環境ビジネス推進協議会が推進する「SCRUM HIROSHIMA」事業の一環として実施されました。
次回は、
・2025年9月25日(木)14:30〜17:00に福山市で開催された「第2回経営者向けセミナー」を紹介します。

SCRUM HIROSHIMAでは、引き続き地域企業の新しい挑戦を後押しするプログラムを展開してまいります。

ひろしま環境ビジネス推進協議会とは

広島県が2012年4月に設立した協議会です。企業間連携の活発化や海外展開の促進等を通じて、持続可能な社会の実現に貢献するビジネスをグローバルに展開できる企業群を育成することを目的としています。
協議会の活動の一環で取り組むコミュニティー組織 「SCRUM HIROSHIMA」では、多様なステークホルダーがつながり、新たなビジネスの可能性を探索いただく場として、定期的なセミナーや、交流イベントを開催します。

【役  員】
会長 早田 吉伸(叡啓大学 ソーシャルシステムデザイン学部 教授)
【事 務 局】
広島県商工労働局 環境・エネルギー産業課
【会員一覧】
ひろしま環境ビジネス推進協議会・参加企業一覧
【協議会サイト】
https://hiroshima-greenocean.jp/


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