農業を通じて地域を守る!
御社についてご紹介ください。
株式会社鈴光ファームと申します。広島県東広島市で農業を営んでいます。現在は、水稲栽培を中心に取り組んでおり、六次産業化により、自社生産の米を活用した甘酒が主力商品です。
ハンズオン支援を受けられたビジネスアイデアの概要をご紹介ください。
今回検討しているビジネスアイデアは、「食用こおろぎ事業」です。2020年に、無印良品でこおろぎ粉末入りのせんべいが販売されたことを契機に、食用こおろぎのことを耳にすることが増えたように思います。最近では、こおろぎ粉末入りのプロテインバーなど、粉末にすることで食べやすい食品が増えてきました。
食用こおろぎが話題になっているのは物珍しさだけではありません。一般的な家畜(牛や豚、鶏など)と比べて、生育時の環境負荷が小さいため、世界の人口が増える中でも無理のない飼育が見込まれており、更に、タンパク質をはじめとする主要な栄養素を多く体内に含むため、栄養素を効率よく摂取できます。また、こおろぎには雑食性という特徴もあるため、フードロスとなる食品をこおろぎの餌に活用してフードロス解消に繋げる動きも生まれています。
実際に、当社でも食品会社と提携して廃棄予定となる食品を餌に活用した食用こおろぎ試験飼育を開始しています。なお、ここで述べてるフードロスの食品は、賞味期限・消費期限の過ぎたような「人間が食べないもの」では無く、十分に人間が食べられるにも関わらず、やむを得ない理由で廃棄される「人間が食べられる」食品のことを述べています。
なぜ、このようなビジネスアイデアに取り組もうされたのでしょうか?
当社の代表が元々プロのスポーツ選手であったことがきっかけです。選手時代の食への関心から農業に参入しました。食用こおろぎについては、スポーツ選手たちに対してタンパク質を安定供給できる体制を作りたかったためです。どの競技でも、良い結果には良い身体づくりが不可欠です。良い身体づくりにはタンパク質が必須となるため、スポーツ選手はより多くのタンパク質を日常的に摂取しています。世界人口の増加を背景に、「2030年には世界的にたんぱく質の供給が足りなくなるのではないか」と言われています。当社では、2030年頃までにたんぱく質の安定供給をできるようにして、スポーツ選手の良い身体づくりに貢献したいという想いから食用こおろぎ事業の着想を得ました。
▲商品イメージ
ハンズオン支援を受けようと思われたきっかけを教えてください。
食用こおろぎは話題になることも増えている一方で、それが良い話題ばかりではありません。いわゆる「炎上」のような話題も増えてきました。人々の関心が集まっていることは良いことではありますが、「炎上」の根幹にあるものは、昆虫を食用に用いることに対する嫌悪感だと考えています。このような消費者側の認識を踏まえて、どのように食用こおろぎの事業化を進めていくのが良いかを一緒に考えていただける機会になると感じたため、ハンズオン支援にエントリーさせていただきました。
プロジェクトを進めていくにあたり、どのような支援を受けられましたか?
ほぼ毎週実施するミーティングを通じて、メンターの皆様から多くのアドバイスをいただきました。また、ミーティング時以外にも、メールでも様々な情報(関連事例や論文、業者等)をご紹介いただきました。ハンズオン支援の期間によって、当社の自助努力だけでは、行きつけなかった到達地点にはたどりつけたと思っています。貴重な機会をいただけたことに、心から感謝しております。
プロジェクトを進めていく上で、どのような壁や苦労がありましたか?
楽観的な認識で事業の検討を開始していたのですが、ハンズオン支援のメンターの皆様の伴走の元、マーケットの動向を掘り下げるところから、当社のハンズオン支援は始まりました。不慣れなことが多く、多くの時間を費やすことになりました。その甲斐も有り、「現実」を直視し、今すべきことを整理し、取り掛かることができました。このようなマインドの変化が、ハンズオン支援に参加させていただいた一番大きな収穫でした。
今後の展開について教えてください。
試行錯誤の連続で、一歩一歩を踏みしめている状態にあります。当社は食用こおろぎの粉末化までの事業計画に取り組んでいます。こおろぎ粉末を活用した商品や粉末の販売先などの出口に係るところがこれからの課題としてあります。話題性のある食用こおろぎの活用に取り組んでみたい事業者様がいらっしゃいましたら、是非ともお声掛けくださいませ。
株式会社鈴光ファーム
本社所在地:広島県東広島市西条昭和町12番5号
Ground1st201号室
代表取締役:鈴光 洋彦
事業内容:農業
CONTACT
ひろしま環境ビジネス推進協議会事務局
〒730-8511 広島市中区基町10-52 広島県庁東館2階
広島県商工労働局イノベーション推進チーム内
電話:082-513-3364 Fax:082-223-2137
E-mail:syo-kankyo@pref.hiroshima.lg.jp
Copyright ©︎2022 Hiroshima Green Ocean Project. All rights reserved.